赤の女王

赤の女王を知っているだろうか。
不思議の国のアリスの登場人物で、
下記のセリフで有名である。

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"Now, here, you see, it takes all the running you can do, to keep in the same place."

(いいかい。ここでは力の限り走らなきゃいかんのだよ、同じ場所に留まるためにはね。)

"If you want to get somewhere else, you must run at least twice as fast as that!"

(もし他のところへ行きたいのなら、その2倍の速さで走らなくてはならなんのだ。)

ルイス・キャロル鏡の国のアリス」より


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同じ場所に留まるためには、全力で走らなければならない。


最も好きな警句である。
僕はここしばらく(というにはずいぶん長い間)、立ち止まって置いてけぼりをくらっていたんじゃないかなぁ。一体、何をしているんだろうね。


より正確に意味を知りたい方は、
下記の生物学における「赤の女王仮説」を読んで欲しい。




赤の女王仮説[英Red Queen hypothesis]
ある生物種をとりまく生物的環境は,その環境の構成に加わる他種の進化的変化などによって平均的にたえず悪化しており,したがってその種も持続的に進化していなければ絶滅に至るという仮説.ある生物群を構成する分類群は,その分類群の出現後,一定の確率で絶滅しているとする絶滅率一定の法則(law of constant extinction)を説明する一つの仮説として,L.Van Valen(1973)が提唱.L.Carrollの童話‘鏡の国のアリス’に登場する赤の女王の‘同じ場所に留まるためには,力の限り走らねばならぬ’という言葉にちなむ.
分類群の絶滅様式の事実をめぐる論争のひきがねとなった.また仮に絶滅率一定の法則が経験則として成立しても,この仮説を検証することは難しいため,この仮説で生物の絶滅様式が説明されるかどうかは,不確定である.しかし,物理的な環境の変化がなくとも,多種系では生物間の相互作用を通じて持続的に進化が起こるという主張は,漸進論的な生物進化観の内容とされるものであり,その意味でこの仮説は現在でも注目されている.
これに対し,生物進化には物理的環境の変化が先行しており,環境が安定ならばやがて進化は停止するという対立仮説を,定常モデル(stationary model)とよぶ.また,最近では,無性生殖に比べ2倍のコストをもつにもかかわらず性が維持されるのは,有性生殖を通じてたえず新しい遺伝子型がもたらされる点が,一般に宿主よりも進化速度の速い寄生者などに対抗するうえで有利なためであるとする仮説を,赤の女王仮説とよぶことも多い(→有性生殖).『岩波書店 生物学辞典第四版』より





ところで冒頭の警句だが、
サッチャーが言ったと思ってたのは秘密(´・ω・`)